工法の種別と生産・施工のしくみ
工法の種別
現在一般的に用いられている工法について説明します。なお、これ以外にも様々な工法が実用化されています。
1. 壁式プレキャスト鉄筋コンクリート工法(W-PC工法)
耐力壁板、床板、屋根板、階段板などのすべて、または一部をプレキャスト部材としている壁式鉄筋コンクリート工法。
2. ラーメンプレキャスト鉄筋コンクリート工法(R-PC工法)
柱、梁、耐力壁板、床板、屋根板、片持ちスラブ、階段、二次壁などのすべて、または一部をプレキャスト部材としているラーメン鉄筋コンクリート工法。
3. 壁式ラーメンプレキャスト鉄筋コンクリート工法(WR-PC工法)
壁柱、梁、耐力壁板、床板、屋根板、片持ちスラブ、階段、二次壁などのすべて、または一部をプレキャスト部材としている壁式ラーメン鉄筋コンクリート工法。
4. プレキャスト鉄骨鉄筋コンクリート工法(SR-PC工法)
柱、梁、耐力壁板、床板、屋根板、片持ちスラブ、階段、二次壁などのすべて、または一部をプレキャスト部材としている鉄骨鉄筋コンクリート工法。
生産から完成までの流れ
1. 工場生産
中高層プレキャストコンクリート工法に用いるプレキャスト部材(以下「PC部材」という)の品質に係わる認定については、良質な品質を備えたPC部材の供給を行う上で、一定の基準による評価を統一的に行う必要があるとの認識から、自主的な「PC部材品質認定制度」を平成元年より発足させ、PC部材の性能・品質を維持するとともにPC工法の普及を図っています。
認定の対象は、建築用PC部材製造工場とし、「PC部材品質認定企画委員会」が制定した工場調査表に基づき、審査を公正に評価するために第三者機関である(一財)ベターリビングに審査を委託し、その結果をもとにPC部材品質認定事業委員会で合否の判定を行い、当協会会長が認定します。
1. 配筋・配管工程
2. コンクリート打設
3. 表面仕上げ
4. ストックヤードからのPC部材搬出
2. 現場施工
PC工法は、現場作業がシステム化されており、施工精度の確保と工期の大幅な短縮を実現しています。建設現場にPC工法施工管理技術者を配置し、部材接合の溶接工事では、作業従事者の資格(PC工法溶接管理技術者・技能者)を定めて品質を確保しています。また、工場生産による現場作業の削減は、騒音の低減、産業廃棄物の削減などの公害防止にも役立っています。
3. 完成
PC工法は公営・UR都市機構などの公共集合住宅や民間マンションなどで数多くの採用実績があります。また、近年では多様化するニーズに応えて、様々なPC工法が開発され、高品質な建築物を多岐に亘る用途で多数建設しています。