応急仮設住宅の建設状況など
令和6年能登半島地震
発災日
令和6年1月1日
建設地区・戸数 計4467戸
- 珠洲市 26団地 989戸
- 輪島市 28団地 1,674戸
- 能登町 13団地 566戸
- 穴水町 18団地 504戸
- 七尾市 9団地 428戸
- 志賀町 4団地 174戸
- 羽咋市 2団地 67戸
- 内灘町 4団地 65戸
※以上団地の詳細は別表へ載載
蛸島町第2,3,4団地 珠洲市
三崎町第3団地 珠洲市
宅田町第2団地 輪島市
マリンタウン第3団地 輪島市
小伊勢町第1団地 輪島市
ふじなみ第1団地 能登町
やなぎだ第1団地 能登町
由比ヶ丘第1団地 穴水町
甲第1団地 穴水町
船尾町第1団地 七尾市
小島町第1団地 七尾市
とぎ第4団地 志賀町
眉丈団地 羽咋市
宮坂団地 内灘町
令和6年能登半島地震における応急仮設住宅の特徴
石川県の応急仮設住宅建設の基本方針
応急仮設住宅については、被災者及び市町の意向を踏まえつつ、用地の状況、応急仮設住宅の供給能力、優先度等を勘案し、①~③の3タイプを基本として整備します。
- ①従来型応急仮設住宅
迅速かつ大量に供給し、避難所生活の早期解消を図ることを目的に、学校のグラウンドや公園等の公有地に⾧屋型のプレハブ、移動式等の応急仮設住宅を整備し、入居期間終了後は撤去します。 - ②まちづくり型応急仮設住宅
里山里海景観に配慮した新たなまちを整備することを目的に、市街地や市街地近郊のまとまった空地等に⾧屋型の木造応急仮設住宅を整備し、入居期間終了後は市町営住宅に転用することを基本とします。 - ③ふるさと回帰型応急仮設住宅
能登から離れ、みなし仮設住宅等で生活する被災者がふるさとに回帰することを目的とし、集落内の空地等に戸建て風の木造応急仮設住宅を整備し、入居期間終了後は市町営住宅に転用することを基本とします。
プレ協は①の従来型応急仮設住宅の建設を担いました。
石川県の応急仮設住宅の主な特徴
○応急仮設住宅の仕様について
応急仮設住宅の基礎については、石川県の方針により、通常使用する木杭ではなく、すべてH鋼基礎となっています。また、石川県の気候風土を考慮して、風除室を設置、窓や掃出しは2重サッシ、天井や外壁部の断熱性能は上げており、外部と建屋の段差を解消するため、すべての住棟に外部廊下を設けています。
・プレハブ建築協会の標準仕様と今回の石川県仕様の違い
部位 | プレ協標準仕様 | 石川県仕様 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1 | 基礎 | 木杭 | H型鋼 | 余震対策 |
2 | 風除室 | なし | 鉄骨パネル | 寒冷地仕様 |
3 | 手すり | なし | 風除室内に追加 | 円滑移動対策 |
4 | 外廊下 | なし | 外廊下の設置 | 段差解消 |
5 | 居室窓 | なし | 二重サッシ(樹脂サッシ) | 寒冷地仕様 |
6 | 居室側窓(1ケ所) | 腰高窓 | 掃出し窓 | コミュニケーション |
7 | 居室庇・濡れ縁・袖壁 | なし | 鋼製庇・既製品 | コミュニケーション |
8 | 小屋裏換気 | なし | 小屋裏換気扇の設置 | 結露対策 |
9 | エアコン架台 | 地上置き | 軒下設置(防振措置) | 積雪対策 |
10 | 室内間間仕切 | カーテン | 一部PB貼(開口の半分) | プライバシー |
11 | 断熱材 | 標準仕様 | 外壁部、天井の断熱性能UP | 寒冷地仕様 |
12 | 給水給湯管凍結対策 | なし | 給水給湯菅保温 | 寒冷地仕様 |
13 | 積雪表示 | なし(不要) | 設置(法対応) | 積雪荷重100cm(長期) |
1.基礎
2.風除室
3.手すり
4 外廊下
5.二重サッシ
6.掃出し窓
7.居室庇・濡れ縁・袖壁
8.小屋裏換気扇
9.エアコン架台
10.室内間仕切
11.断熱材
(外壁・天井)12.給水給湯管凍結対策
○住戸プラン
住戸タイプについては、1K、2K、3Kと2DK車椅子対応の4つのタイプのものを建設しております。
平面プラン
1K(6坪)
2K(9坪)
3K(12坪)
2DK車椅子対応(12坪)
○応急仮設住宅(内観写真)
居室間はカーテンと間仕切りとしました。
(居室)
(台所)
-
(掃き出し・濡れ縁)
(洗面所)
(車椅子対応住戸 トイレ・洗面所)
災害対応経緯
地震の発生と対応
令和6年1月1日(月)16時10分、能登半島の先端部を震源とするマグネチュード7.6の地震が発生し輪島市と志賀町では最大震度7を記録しました。今回の能登半島地震のマグネチュード7.6は、阪神・淡路大震災(1995年)、熊本地震(2016年)のマグネチュード7.3を超える大きさで、この地震に伴い日本海沿岸の広範囲で津波が観測されたほか、各地で土砂災害、火災、液状化現象、家屋の倒壊が相次ぎ発生しました。
一般社団法人プレハブ建築協会(以下「プレ協」)は応急仮設住宅の建設にあたって、国土交通省、石川県の指導のもと、会員会社各社の協力を得て迅速な対応を進めてきました。
応急仮設住宅建設本部の設置
プレ協は、地震発生の翌日1月2日(火)に、規格建築部会長会社、同部会災害対策分科会会社、事務局(専務理事、業務第1部長)が参集し、建設本部の準備会を開催、1月4日(木)にプレ協会長を本部長とする災害対策本部を立ち上げ、その下部組織として1月9日(火)に応急仮設住宅現地建設本部を設置しました。
現地建設本部においては本部長・渉外・施工品質・技術・総務の担当者が常駐し迅速に業務が遂行できるよう組織化しました。
応急仮設住宅の供給要請
プレ協は「災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定書」を47都道府県および13の救助実施市との間で締結しており、災害時における応急仮設住宅の迅速なる建設体制を確立しています。
令和6年能登半島地震では、石川県より最終的に4,000戸を超える建設要請がありました。
応急仮設住宅の建設戸数
災害救助法の適用されたことに基づき、石川県からプレ協に応急仮設住宅の建設要請があり、当協会の会員会社はこれを受け、被災者が一日でも早く入居できるよう、早期の完成を目指して着工しました。
令和6年1月7日(日)に建設候補地の調査協力依頼を受け:輪島市5ケ所、珠洲市4ケ所、能登町2ケ所 計11ケ所、翌1月8日(月)に建設要請を受け 1月12日(金)には、応急仮設住宅着工第1号となる応急仮設住宅を輪島市に30戸、珠洲市に50戸の建設に着手し、2月21日(水)に輪島市の30戸を石川県に引渡しを行いました。
今回の地震は半島という地形的な特徴により、交通網の寸断や水道などのインフラ復旧遅れによる宿泊施設が不足した事、アスファルトや砕石等の資材調達に苦慮した事が応急仮設住宅の建設工程にも影響を及ぼしましたが、令和6年12月20日現在、4,467戸がプレ協に要請を受け引き渡しを終えた応急仮設住宅となりました。
令和6年能登半島地震応急仮設住宅建設地区・団地、戸数詳細(別表)
珠洲市
- 上戸町第1団地(33戸)
- 上戸町第2団地(30戸)
- 正院町第2団地1期(28戸)
- 正院町第2団地2期(20戸)
- 正院町第4団地(27戸)
- 高屋町第1団地(19戸)
- 蛸島町第1団地(117戸)
- 蛸島町第2団地(42戸)
- 蛸島町第3団地(48戸)
- 蛸島町第4団地(51戸)
- 蛸島町第5団地(40戸)
- 野々江町第2団地(26戸)
- 野々江町第3団地(19戸)
- 野々江町第4団地(6戸)
- 野々江町第5団地(13戸)
- 宝立町第1団地(153戸)
- 宝立町第4団地(43戸)
- 若山町第1団地(61戸)
- 若山町第6団地(34戸)
- 三崎町第1団地(50戸)
- 三崎町第2団地(60戸)
- 三崎町第3団地(20戸)
- 飯田町第2団地(17戸)
- 飯田町第3団地(7戸)
- 飯田町第4団地(19戸)
- 飯田町第5団地(6戸)
輪島市
- 大野町第1団地(56戸)
- 河井町第2団地(27戸)
- 河井町第3団地(45戸)
- 河井町第4団地(39戸)
- 舘第1団地(28戸)
- 是清第1団地(34戸)
- 小伊勢町第1団地(48戸)
- 小伊勢町第2団地(26戸)
- 杉平町第1団地(29戸)
- 杉平町第2団地(41戸)
- 宅田町第1団地(86戸)
- 宅田町第2団地(142戸)
- 宅田町第3団地(16戸)
- 剱地第1団地(32戸)
- 町野町第1団地(81戸)
- マリンタウン第2団地1期(87戸)
- マリンタウン第2団地2期(89戸)
- マリンタウン第3団地(57戸)
- 三井町第2団地(20戸)
- 道下第1団地1期(154戸)
- 道下第1団地2期(125戸)
- 道下第3団地(16戸)
- 門前浦上第1団地(34戸)
- 門前浦上第1団地2期(45戸)
- 横地町第1団地(44戸)
- 輪島港第1団地第2団地第3団地(67戸)
- 河井町第1団地(14戸)
- 清水第1団地(69戸)
- 西脇町第1団地(30戸)
- 西脇町第2団地(10戸)
- 西脇町第2団地(29戸)
- 里町第1団地(54戸)
能登町
- いわいど団地(22戸)
- うかわ団地1期(66戸)
- うかわ団地2期(15戸)
- おぎ第1団地(26戸)
- おぎ第2団地(40戸)
- かんまち団地(34戸)
- しろまる団地1期(31戸)
- しろまる団地2期(11戸)
- ふじなみ第1団地(123戸)
- ふじなみ第2団地(30戸)
- まつなみ第1団地(76戸)
- まつなみ第2団地(22戸)
- みずほ団地(12戸)
- やなぎだ第1団地(38戸)
- やなぎだ第2団地(20戸)
穴水町
- 河内団地(12戸)
- 甲第1団地(26戸)
- 下唐川第1団地(11戸)
- 中居第1団地(21戸)
- 中居第2団地(9戸)
- 鵜島団地(8戸)
- 志ケ浦第1団地(16戸)
- 志ケ浦第2団地(10戸)
- 諸橋団地(10戸)
- 川島第1団地(15戸)
- 川島第2団地A(18戸)
- 川島第2団地B、C、D(47戸)
- 川島第2団地E・F(31戸)
- 川島第3団地(43戸)
- 大町第1団地B、大町第1団地C(16戸)
- 大町団地A、D(20戸)
- 中居第3団地(11戸)
- 由比ヶ丘団地1期(85戸)
- 由比ヶ丘団地2期(95戸)
七尾市
- 垣吉町第1団地(66戸)
- 小島町第1団地(95戸)
- 船尾町第1団地(45戸)
- 中島第1団地1期(60戸)
- 中島第1団地2期(20戸)
- 中島第1団地3期(5戸)
- 津向町第1団地(28戸)
- 田鶴浜町第1団地(9戸)
- 万行第1団地(35戸)
- 万行第2団地(40戸)
- 矢田新町第1団地(25戸)
志賀町
- しか第1団地(21戸)
- とぎ第2団地(65戸)
- とぎ第3団地(12戸)
- とぎ第4団地(76戸)
羽咋市
- 石野団地(13戸)
- 眉丈団地(54戸)
内灘町
- 総合公園団地(20戸)
- 千鳥台団地(11戸)
- 宮坂団地(11戸)
- 向粟崎団地(23戸)