戸外から伝わってくる車の交通騒音、工場や建設現場からの騒音、そして室内で発生するさまざまな生活音等、これらの騒音から生活とプライバシーを守ることも快適な空間づくりには欠かせません。
環境省では環境基本法で「健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい屋外の騒音レベル」として、住居地域では昼間55dB以下、夜間45dB以下という基準を設定しています。
立地条件や周辺環境を調査し、騒音問題に発展しやすい道路の位置や隣家との距離を考えた上でプランニングや建物配置計画を進めます。
室内で発生するさまざまな生活音
性能表示制度では延焼の恐れのある部分の開口部も評価項目に含まれています。等級1は開口部に通常のアルミサッシなどを用いたもの。等級2では網入りガラスなどの防火サッシとするか、スチールかステンレス素材のシャッターや雨戸を設ける必要があります。
等級3は一般的な戸建住宅ではほとんど要求されないレベルの仕様です。
また開口部の防火性能を高めるだけでなく、開口部上部には上階への類焼防止効果のあるバルコニーを設けるなど、プラン上でもさまざまな配慮を行います。
遮音性能テスト
(2階床衝撃)
遮音性能テスト
(1階受音室)
性能表示制度では音環境として、人の足音や物の落下音など、上階の床を通して下階に伝わる床衝撃音と、共同住宅などの戸境壁(界壁)や、外壁や開口部を伝わって室内に侵入してくる透過音について評価項目が設定されています(選択項目になります)。このうち床衝撃音と界壁の透過音は戸建住宅には適用されていません。
しかし、戸建住宅であっても上下階の音は気になるものです。プレハブ住宅では床そのものの剛性を高めることはもちろん、床や天井に遮音性や吸音性の高い材料を使用したり、構造体である床と下階の天井との縁を切り、直接音が伝わらない工夫をするなど、さまざまな床遮音対策を実施しています。
また、性能表示制度では外壁の透過音については外壁全体の遮音性能に関する予測が極めて難しいため、通常もっとも遮音性が低くなりがちな開口部(サッシ)の性能を評価することとなっています。
評価の等級は日本工業規格に規定する遮音性能試験により透過損失(どの位の音を低減できるかの程度)25dB以上が等級3、20dB以上が等級2、その他が等級1となっています。
この性能を高めるにはサッシを二重にしたり、気密性が高く音の漏れにくいサッシを採用するなどの対策が必要となります。
プレハブ住宅ではこれらの性能を確保したサッシを用意し、お客様の遮音に対するご要望にお応えしています。
トイレの排水音や浴室の使用音など、給排水管を通じて伝わる音は、昼間は気付かなくても、寝静まった夜間は気になるものです。ライフスタイルが多様化した現在では、真夜中でも気兼ねなく入浴や洗濯ができる給排水設備の遮音性が求められます。
プレハブ住宅では、トイレ・浴室・台所から離れた位置に居室を置き、上下階では水回りと居室の位置関係にも配慮するなど平面計画での工夫を行っています。さらにトイレと寝室、子供部屋と主寝室などの間仕切り壁にも吸音材を入れるなど、遮音性の高い仕様も用意しています。
また、配管については、パイプに遮音性の高い材料を巻きつけてシャフトに収めたり、パイプの固定に絶縁材料を用いて躯体の振動を伝えないようにするなどの配慮も行っています。
遮音仕様のパイプ
スペース
遮音シートを採用した
排水パイプ
近年、住宅への侵入盗犯罪が多く発生していることから、住宅の防犯性に対しての関心が高まっています。
警察庁のまとめによると空き巣などの住宅侵入窃盗は、平成15年以降減少しているものの、一日当たり約86件発生しており、未だ多くの住宅が被害にあっています。
プレハブ住宅は防犯性を向上させるさまざまな対策をとることによって、侵入盗に対して安心してお住まいいただける住宅を提供していきます。
近年、住宅への侵入盗犯罪が多く発生していることから、住宅の防犯性に対しての関心が高まっています。
警察庁のまとめによると空き巣などの住宅侵入窃盗は、平成15年以降減少しているものの、一日当たり約86件発生しており、未だ多くの住宅が被害にあっています。
プレハブ住宅は防犯性を向上させるさまざまな対策をとることによって、侵入盗に対して安心してお住まいいただける住宅を提供していきます。
戸建住宅への侵入盗の特徴として、窓や玄関・勝手口のドアなどの開口部からの侵入が大部分を占めていることがあげられます。このため、性能表示制度の防犯に関する対策もこの点に重点が置かれています。
また、住宅侵入盗の70%が侵入をあきらめるまでの時間が5分以内であることから、5分間の侵入抵抗性能をもつ「防犯建物部品」の開発・普及が官民合同会議で推進され、「防犯性能の高い建物部品目録」として公表されています。
この防犯建物部品には「CP」とデザインされた緑色のマークが製品やカタログに貼付され、違いが一目で分かるようになっています。
プレハブ住宅では、侵入盗に対して弱点となりやすい窓やドアなどの開口部には、防犯建物部品を積極的に採用していきます。
CPマーク
※防犯性能の高い建物部品を表す共通標章
住宅の防犯性向上のためには、開口部の対策だけでは万全とはいえません。住民の防犯意識の向上や、住宅の周囲からの見通しを良くすることなどの総合的な対策が必要となります。
近隣コミュニティを考慮した街づくりや、外構や植栽、建物の配置などを設計時に工夫することによって、周囲からの死角を作らないこと、侵入のための足場になるようなものを設置しないこと、塀や雨樋などを伝い登りしにくい構造や位置にするなど、建物周囲も含めた防犯を考慮するべきです。
わが国の高齢化は急速に進んでおり、65歳以上の高齢者人口は、3,387万人(2015年現在)で、総人口(1億2,709万人)に占める割合(高齢化率)は約27%となっています。
今後の推計では、平均寿命の伸長や低い出生率を反映して益々高齢化率が高まり、2040年には高齢者人口は3,921万人となって、国民の約35%が高齢者という時代が到来すると推計されています。
一方、65歳以上の高齢者がいる世帯における高齢者のための設備の設置状況は、近年の新築住宅では目覚しく増えてきていますが、ストック全体ではまだ低いレベルにとどまっています。
プレハブ住宅では、高齢化社会の到来に向けて、安心してお住まいいただける住宅を提供していきます。
性能表示制度では、住戸内における高齢者等への配慮のために必要な対策として、高齢者等配慮対策等級が5段階のレベルで設けられています。
最高等級である等級5では「高齢者等が安全に移動することに特に配慮した措置が講じられており、介助用車いす使用者が基本的な生活行為を行うことを容易にすることに特に配慮した措置が講じられている」ことが要求されます。
具体的には車椅子での通行可能な廊下の幅の確保、階段・トイレ・浴室・玄関・脱衣室などへの手すりの設置、居室間や玄関などの床の段差解消などですが、等級5では階段の手すりを両側に設置したり、浴室では数箇所に手すりを設けるなど、既に身体能力の低下した高齢者や車椅子使用者が居住することを前提としています。
将来を見越して新築時にある程度の高齢者配慮を施しておくことは必要ですが、健康な時には使用しない設備などを設置してしまうことは、余分なコストもかかりお勧めできません。
手すりは階段など日常の安全性を確保しなければならない場所に優先して設置し、廊下やその他の部分では、将来取付ができるように下地の補強などを施しておくことが有効です。また、廊下や階段など後で広げにくい部分の幅を広くとっておくことも一考です。
浴室や洗面所、トイレなどの水回りは移動のしやすい配置とする他、必要な時に間仕切り壁を取り外したり、開口部の幅を広くすることができるように構造体と縁を切っておく等の工夫も必要です。
また、同じ車椅子生活者でも、高齢になり介護が必要な場合と、障害などで車椅子を利用される方とでは活動範囲も対応が必要な設備も大きく異なるため、分けて考える必要があります。
ユニバーサルデザインとは「できる限り全ての人に利用可能であるような製品、建物、空間をデザインする」という定義で、アメリカ・ノースカロライナ州立大学のユニバーサルデザインセンターの所長であるロン・メイス氏により提唱された考え方です。
小さな子供、大人、高齢者、それぞれに使い勝手は違って当たり前です。気持ちよく暮らせる住まいをつくるためには、さまざまな視点から安全・安心、使いやすさを追求するという、ユニバーサルデザインの考え方が必要です。
病気やケガに悩む患者さんや、自宅での生活が困難になった高齢者の方が安全・快適で自立した生活を送ることができるように工夫されたケアハウスやグループホームなどの医療・介護施設作りにも、プレハブ住宅メーカーがこれまでに蓄積したさまざまなノウハウを活かして積極的な提案を行っていきます。
住まう人が健康で快適であることは住宅に要求される基本性能です。にもかかわらず、多様な化学物質を含む建材の使用が一般化し、エネルギー効率のよい高気密・高断熱住宅の普及に伴って、ホルムアルデヒド等の化学物質が屋内に放散され、滞留し、健康に悪影響を与える事態が生まれています。これが室内化学物質汚染、いわゆるシックハウス問題です。
プレハブ住宅ではこの問題に早くから取り組み、化学物質を含む建材の使用を極力抑制することはもちろん、計画的な換気によって室内から有害な物質を排出するなどの対策を進めてきました。
平成9年、厚生省(当時)は、シックハウスの原因物質といわれているホルムアルデヒドについての室内濃度指針値を設定しました。以後、ホルムアルデヒド以外の物質も追加され、令和元年9月現在で13の物質について指針値が定められています。また、平成14年7月には建築基準法の改正により、ホルムアルデヒドとクロルピリホスの使用規制と換気設備の設置が義務付けられました。
性能表示制度では室内空気汚染に関わるものとして「空気環境」の性能評価項目があります。
内容は、以下の4項目です。
ホルムアルデヒド対策のうち、接着剤を用いて製造する木質の材料については、放散量の区分に応じて等級1から等級4までの4段階で評価されますが、性能表示制度を利用したプレハブ住宅では、該当する木質建材の殆どに一番放散量の少ない等級4相当の材料を使用しています。今後はホルムアルデヒド以外の有害化学物質についても極力使用しないような技術開発を行い、使用する場合でも「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」に基づく管理を徹底していきます。
項目 | 内容 | 等級 | |
---|---|---|---|
内装 | 天井 裏等 |
||
ホルムアルデヒド 発散等級 |
JISまたはJASのF☆☆☆☆等級相当以上 | 3 | 3 |
JISまたはJASのF☆☆☆等級相当以上 | 2 | 2 | |
その他 | 1 | - |
昔の住宅は閉めきっていても隙間が多いため1時間に1回位の室内空気の入れ替えができましたが、最近の住宅は断熱性能を高めるため気密化が進んでいます。
このような高気密住宅では放散量の少ない建材を使うだけではなく、一定の換気量を確保するための計画換気が必要です。
平成14年の建築基準法改正では、建築物の居室には換気設備を設置することが義務付けられました。
機械換気には機械給排気型の第1種機械換気、機械給気型の第2種機械換気、機械排気型の第3種機械換気の3種類があります。また、プレハブ住宅では、居室空間全体をこれらの機械換気により24時間常時換気するシステムも提供しています。
いずれの場合でも、プレハブ住宅では建物の気密性や使用される建材の化学物質放散量に応じて、必要な換気量を確保できるよう換気計画を行い、きれいな室内空気環境を確保するよう努めています。