賃貸住宅経営に関する疑問は多種多様にわたると考えられますが、ここではよくある注意点や疑問点などを、Q&A形式にてご紹介しています。お悩みを解決するご参考にしてください。
賃貸住宅経営のメリットについて教えてください。
賃貸住宅経営のメリットは、いくつか考えられますが、代表的なメリットを以下に記載します。
1. 少ない自己資金でも可能
土地さえ有れば、手持ちの自己資金が少なくても、アパートローンで費用の大部分を賄うことが可能です。ローンについては、家賃収入から返済するので、現在の収入が少なくてもOKです。
収支バランスが良好で土地・建物に担保力があれば、原則として借入可能です。
2. 私的年金の確保
平均寿命は年々長くなっていますが、公的年金だけで生計を立てるのは難しくなりつつあります。このままでは、老後に不安がいっぱい・・・賃貸住宅経営からの長期収入で、第二の年金を形成しましょう。
3. 高い節税効果
4. 景気変動の影響を受けにくい
一般的に物価の変動幅に比べ、家賃の変動幅は小さい為、賃貸住宅経営は景気変動の影響を受けにくいと言われています。 借入時よりも金利が下がった場合、ローン借り換えなどによる条件の変更で、収支が改善するケースもあります。
但し、メリットばかりではなく、以下のようなリスクもある為、建築前に充分にご検討いただく必要があります。
賃貸住宅の需要はあるの?
1. 人口は減っても、しばらくは世帯数増加(出典:国立社会保障・人口問題研究所)
土地さえ有れば、手持ちの自己資金が少なくても、アパートローンで費用の大部分を賄うことが可能です。ローンについては、家賃収入から返済するので、現在の収入が少なくてもOKです。
2007年をピークに、日本の総人口は減少を始めましたが、世帯数は 2020~2025 年で、おおむね横ばい、単独および夫婦のみの世帯は2030年まで、わずかながら増加の見通しとなっています。
2. 質の高い賃貸住宅が必要(出典:総務省「住宅・土地統計調査」平成25年調査データ)
これから増加する少人数世帯の中心は、団塊世代を含む高齢者層とそのジュニア達の世代です。バリアフリーの配慮をはじめ、こだわりに応える魅力ある空間づくりや機能性・デザイン性などが強く求められます。それらの反映が見込まれる築10年前後の賃貸住宅は全体の約30%程度で、社会のニーズに充分応えられているとは言えません。
賃貸住宅の企画から建築まで、どのように進めるの?
賃貸住宅経営を計画する上で、最も重要なのは、その立地条件を活かしたプランを立てることです。その為には事前の「市場調査」が重要です。そのエリアで、どんな間取り、構造、設備、外観の賃貸住宅に人気があるのか、また、賃貸住宅需要はどうかを調査、予測する必要があります。そうした市場調査の結果を踏まえた上で、どういった賃貸住宅を建設するか、または場合に因っては建設自体を断念するかを決めることになります。事前の市場調査が不十分だと、需要に合わない賃貸住宅を建ててしまう恐れがあります。
当協会会員企業では、市場調査を十分に行なった上で建設する目的に沿った適切なプランを、豊富な実績に基づいてご提案するよう、取り組んでおります。まずは、当協会会員企業のホームページからの資料をご請求ください。
収支計画は、どうやって立てるの?
1. 収支計画書とは?
収支計画書とは、建設にかかる投資額、得られるであろう家賃収入、必要となる支出を年毎の時系列の表形式で表示した計画書が一般的です。賃貸住宅に関わる金銭の流れ、いわゆるキャッシュフローを予想するものです。
さらに経費計上した損益計算書まで作成できれば、不動産所得金額も予想できます。
2. 収支計画書の作成
収支計画書は、土地オーナー様が当協会会員企業に作成依頼して頂ければ、殆どの場合で無料にて作成することができます。早ければ1~2週間程度で、収支計画書が届けられると思います。
(名称は「企画書」「提案書」などとなっていることもあります)。
3. 収入予測
賃貸マンション・アパートの収入予測をするとき、大前提になるのが家賃設定と空室率です。
家賃は近隣にある同レベルの新築賃貸住宅を参考に設定するのが最も一般的です。
新築直後には、家賃が近隣中古物件より若干高めでもほぼ満室状態になることが多いのですが、建築後には入居者の入れ替えなども発生します。その際の適切な空室率を設定しておくことは、重要な収入予測項目です。空室率を低く抑えるには、適切な家賃設定と、建物の設備・仕様等が入居者ニーズから離れないような方策を実践することです。
4. 支出予測
支出の予測をする場合に、大きいのは「建物維持管理の経費」と「金融機関への返済額」です。
1. 建物維持管理のための支出
「建物維持管理のための支出」とは、土地・建物の固定資産税と都市計画税、建物修繕費、火災保険料、共用部分の光熱費・清掃費、不動産管理会社に管理委託する場合の管理委託費、不動産会社に入居者募集を委託する場合の仲介費用を指します。
2. 金融機関への返済額
「金融機関への返済額」は、借入1億円の場合、下表のようになります。
利率 | 20年返済 | 25年返済 | 30年返済 |
---|---|---|---|
1% | 459,894 | 376,872 | 321,639 |
2% | 505,883 | 423,854 | 369,619 |
3% | 554,597 | 474,211 | 421,604 |
例えば1億円の借入を年利2%で30年返済するとすれば、毎月約36.9万円という金額になります。この36.9万円は利息と元金返済の両方を含んだ合計額です。
ローンがある場合には、金融機関への返済はこのように大きな負担になりますので、家賃収入(礼金・貸駐車場収入など含む)と返済額のバランスは、余裕をもって設定しておくことが安全です。
プレハブ住宅の特徴は?
建築資金の調達方法は、どうしたら良いの?
建設資金の調達方法は、大きく分けて2種類です。
アパートローンは、多くの金融機関で取り扱っていますが、融資条件は各社各様なので、事前に相談されることをお勧めします。尚、当協会会員企業を通してのご相談も可能です。ホームページなどでご確認ください。
管理委託の内容と管理会社の選定は?
賃貸住宅の管理運営業務を、入居者募集、入居者管理、建物管理に分けて考えてみましょう。
まず「入居者の募集」ですが、新築時の入居者募集から信頼できる会社に委託する方が安心・安全です。新築時の入居者募集では、入居者の質を出来るだけ高くすることが必要で、それには入居者を選ぶノウハウや、入居者募集のための広告が必要なので、オーナー独自で行うことは難しいからです。
もちろん新築後も、空室が発生した場合の入居者募集については、同じ理由から信頼できる会社に継続して委託する方がベターです。
「入居者管理」については、更に細かく分類すると、入金管理、家賃督促、契約管理、退去管理などに分かれます。この入居者管理は、『いつでも対応できるフットワークの良さ』が求められる条件になるので、オーナー自らが行うことは相当に時間的余裕がないとできません。やはり管理会社に委託するのが良いでしょう。
建物管理は更に細かく分類すると、清掃、建物・設備の定期検査、設備修繕、建物修繕などです。清掃などの比較的軽い業務についてはオーナーもできることが有りますが、専門的スキルを要求される部分も少なくないため、やはり管理会社に委託するのが基本でしょう。
さて委託する管理会社を決める場合、当協会会員企業で建築された際には、その企業またはその系列企業を選ぶことをお薦めします。
管理会社選びのポイントは「管理業務の内容」にあります。管理を委託するということは、家賃の出納や敷金を預けることでもあるので、経営規模も比較的安定している大企業の方が、万一の心配も軽減できます。さらに建物の構造も熟知していますから、将来必要になる大規模修繕などもスムーズに進めることが可能です。
建物の維持管理は必要なの?
いつまでも建物は美しく設備は快適で使いやすく維持することは、今いる入居者の満足を高め、長期に入居者の定着率を高めることにつながります。
まずアパートオーナーとして一番に気にしなければならないのは、建物や周囲の外構をきれいに保つことではないでしょうか。廊下などの共用部分がいつもキレイになっていれば、入居者の満足も高まります。入居者もルールを守って使用し、また自室内も清潔を保つ意識に繋がります。
設備に関しては、快適さやセキュリティーが重視される中、設備の充実度が入居者満足に大きく関係しています。TVドアホン、エアコン、キッチンまわりやお風呂・洗面設備・給湯設備・照明設備などは、最新型に交換することも賃貸住宅としての魅力を維持するポイントです。
建物本体に関しては、当協会ホームページ掲載の「低層集合住宅 維持管理マニュアル」をご参照下さい。ここで大切なのは、修繕計画を必ず実践することです。
長期保証はあるの?
集合住宅を建てる建築業者選定の時、長期の保証があることは戸建住宅ばかりでなく、集合住宅においてもオーナー様の大切な資産を守り、健全な賃貸経営を継続する上で大切なことです。
当協会会員各社は、「住宅品質確保促進法」に基づく瑕疵担保責任期間のみならず、「長期保証システム」を用意しております。
【一般在来工法住宅】の場合瑕疵担保責任期間10年
一部業者を除き、「住宅品質確保促進法」に基づく期間のみ
【プレハブ住宅】の場合長期保証期間20年以上
但し10年を超える保証は、当協会会員各社の定める定期点検およびその点検によって必要と判断された工事を、実施することが条件となります。
プレハブ住宅の品質は?
住宅に求められる役目(機能)をどの程度に果たせるかということを定量的・定性的に示したものが住宅の「性能」です。住宅の性能には、設計-施工-維持管理-使用の4つの段階があり、それらが統合されてこそ初めて品質が高い住宅といえるのです。
プレハブ住宅は、開発-生産-施工-品質保証-アフターサービス・アフターメンテナンスの仕組みが確立されており、高い住宅性能、品質を実現しています。